【イベントレポート】発信する外科医・山本健人(けいゆう)さんが語る、「伝える」ためのノウハウ/第1回関西MeetUpより

メディカルジャーナリズム勉強会は、2020年2月1日(土)、会として初となる関西MeetUpを開催しました。

記念すべき第1回のゲストは、「SNS医療のカタチ」のメンバーでもある山本建人 (けいゆう)さんです。今回のMeetUpイベント内容の一部をレポートいたします!

すべては“たった一人の熱狂”から始まった

(市川)けいゆう先生、まず簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか。

(けいゆう先生)はい。本業は医者です。市川さんがメディカルジャーナリズム勉強会は“たった一人の熱狂”とおっしゃられていましたが、私も“たった一人の熱狂”で始めたんです。

医学は専門性の高い分野かもしれません。でも、一般の人に知って欲しいこともある。メディアから入る誤った情報を診察室の限られた時間で変えるのは本当に大変です。だから、どうにかしたいと思った。医療における情報格差のすべてが、専門知識があるかないかの差で生まれるものではない。専門知識がなくても理解できる医療情報が半分はあると思っています。

市川さんと同じで、私も“変態=多動”なんです。医療情報に関しては問題意識をずっと持っていたので、2013年から新聞への投書を始めました。1年で300本、1年半で400本、病気に関する記事等をウェブで書いていました。そうしているうちに、2018年頃から、メディアからお声がけを頂けるようになりました。その後、Yahoo!個人でも執筆を始めました。

SNSも大事だと思ったので、Twitterを始めました。ただ、本でないと届かない層もあるので、本の執筆もしています。

今後は、ウェブでの活動も維持しながら、紙メディア、テレビ、講演やイベント等の活動にも力を入れたいと思っています。

伝えたいことを多くの人に届けていくノウハウ、考え方

(市川)今日は発信に興味を持つ多くの方が集まっています。けいゆう先生にずばりお伺いしたいのは、伝えたいことを多くの人に届ける、そのノウハウ。

(けいゆう先生)個人でできることは少ないと思っています。そうすると、大きなプラットフォーマー(=メディア)に、発信者として見つけてもらうことが大事。SNS、YouTube、ブログを通じて、明確な目的を持ってやっていくことが重要なのではないでしょうか。発信者として、チャンスをつかむことを目的としてやっていく。

最近は、SNSが「メディア」と「発信したい人」の“マッチング機能”として働いていると思っています。プラットフォーマ―側にとっても、きちんとした情報を持っている人と出会えることは、リスクが下がることにもつながりますし、メリットだと思います。

(市川)ホントにその通り。テレビの制作者は、以前は出演してもらう医師を探すときは学会に相談したりするしかありませんでした。でも最近はメッセージ発信が上手な人、話せる人を、SNSを通じて探したり、事前に判断することもできる。

(けいゆう先生)メディア側も実は、医療情報を書ける人を探しているんですよね。

(市川)けいゆう先生の場合、“外科医による発信”という分かりやすさがある。自分にレッテルを貼るって大事なことだと思っています。例えば、私の場合、メディアにいるけど医療に詳しいということを、「医療の翻訳家」という形でレッテルにしています。分かりやすい言葉でレッテルを作ったほうがいい。自分のプロフィールの中でどこに訴求力があるのかを、考えるのも重要だと思います。

ブログを書くときに、何を考えているか

(けいゆう先生)ブログはアクセス解析できるのがいいんです。これは“変態”だから好きになれること。どんなワードで検索しているか、どんな風に、どこが読まれているか、知ることができる。一番多いアクセスの時間帯が19時~20時だ、とかか分かる。

医療情報って「オンデマンド」なんですよ検索して、ページ見て、終わり。その後は二度と戻らない。ブログはそういう風に見てる人が多いんです。単発であるという意識で、コンテンツをストックしていくのがいいと思っています。最近はオピニオンを書かれる方もいますが、有名じゃない人がオピニオン書いても大体の人は興味ないんですよ

(市川)何のためにやるのか、考えるのが大事ということですよね。誰にどうなって欲しいのかを常に考える。私は、対象によって使うメディア、伝え方、作戦を分けています。

炎上リスクをどう考える?

(けいゆう先生)自分の「意見」と「科学的事実」の線引きがすごく大事。炎上しやすいのってオピニオンなんですよ。科学的事実だけで炎上することはありません。だから僕はオピニオンを書くときはかなり慎重になります。

(市川)僕も同じ。オピニオンをかけるようになるのは、時間がかかることです。

(けいゆう先生)オピニオンは賛否両論ある。だから批判されたときに対応できるメンタルが必要だと思います。誹謗中傷が来ると正直しんどいですよ。私は、ブログのコメント欄も、YouTubeのコメント欄は全部閉じています。Twitter一本化。一本化するのって大事ですよ。あと、Twitterって、はみんなが見ている空間なので、批判する側と批判される側が同じリスクを背負えるんですよ。

たくさんの人とつながることの大切さ。

(市川)なるほど、窓口の一本化。ほかに取られている対策ってありますか?

(けいゆう先生)全ての人に誠心誠意コメントを返そう、と気負いすぎないことでしょうか。SNSは特に、気楽にやるのがいいと思います。批判されると、考えて悩むと思うんです。その咀嚼する時間がもったいない。批判した側って、すぐ忘れてるんですよね。

(市川)確かに。メンタル的に負担があるなら、ミュートしてもいいですよね。

(けいゆう先生)そうですね、批判に耐えられずやめてしまう人も多いですからね。対策法を知っておくのは大事なことだと思います。私は、発信力は個人の能力ではなく、たくさんの人とつながっていることが大事だと思っています。

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